【スーパー経営者必見】地方のスーパーは鮮魚売場こそ強化せよ!令和の時代の生き残り策

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スーパーマーケットは今や、生鮮食料品を安定供給する存在として、地域住民の生活に欠かせないインフラとなっています。

しかし最近では、ドラッグストアによる生鮮食品の強化や、特定のジャンルに特化した専門店・カテゴリーキラーの台頭により、「かつての勢いを失いつつある」と感じている方も多いのではないでしょうか。

「商品を並べれば売れた時代」は、もう遠い昔のことです。

特に週末はチラシの効果もあって客数を維持できるものの、平日の客数減少、いわゆる「平日の劣化」が顕著で、店舗運営に四苦八苦しているスーパーが目立っています。

しかし、そんな厳しい環境下でも、非常に元気な地元スーパーが存在します。 平日でも来店数が落ち込まず、特に月曜日や木曜日にも高い集客力を誇っているお店です。

彼らは一体、何が違うのでしょうか?

答えを先に言うと、「鮮魚売場が地域住民から圧倒的な支持を受け、評判を呼んでいるから」です。

お肉が強い、野菜が新鮮、PB(プライベートブランド)商品の品揃えが良いなど、スーパーの強みは多種多様です。しかし、こと「地方」に関して言えば、鮮魚売場が評価されるかどうかで、スーパー自体の評判が決まると言っても過言ではありません。

もっと言えば、鮮魚が良くなければ、地方でスーパーの経営を維持していくことはできないとさえ言えます。

今回は、なぜ鮮魚が強くなければ地方のスーパーが成り立たないのか、その理由を深く掘り下げてみましょう。 経営者や現場の幹部のみなさまにとって、これからの店づくりの役に立つヒントが詰まっていますので、ぜひ最後までご視聴ください。

目次

鮮魚はお荷物部門?!

現在、鮮魚部門は加工や製造の手間がかかる「コスト部門」として、非常に運営が難しい時代だと言われています。

元々ロスが多く、利益を上げにくい部門である上に、一度運営に失敗すると慢性的な赤字が続き、会社全体の足を引っ張る存在になってしまうからです。さらに、技術を持つ人材が育ちにくく、慢性的な人手不足がそこに追い打ちをかけています。

このような「悪循環」に陥っているお店がどれほど多いか、みなさまもよくお分かりのことだと思います。

ただし、先ほど申し上げたように、魚で圧倒的な評判を得ているスーパーも確かに存在します。 そうした繁盛店では、鮮魚単体で爆発的な利益にはならずとも、大きな赤字を出すこともありません。しかも、全国的に有名な大手チェーンではないのです。その地域で脈々と、住民のみなさんから絶対的な信頼を得ながら、安定した経営を続けている中小企業があるのです。

地方スーパーにおいて、鮮魚で手を抜くことは、即座に衰退へと直結します。だからこそ、地方では絶対に鮮魚の手を抜けないのです。

一般的に言われるような「お荷物部門」どころか、まさに「企業の看板部門」として輝いているお店は、一体どんな思考パターンで鮮魚を強化しているのでしょうか。その理由は大きく3つあります。

理由1:曜日戦略の観点(平日の客数を伸ばす)

1つ目は、曜日戦略の視点です。

現在のスーパーは、週末に売上を稼ぐ「週末強化型」の店舗が多いのが現状です。しかし、週末は1週間のうち、たったの2日間しかありません。それに対して、平日は5日間もあります。

週中にセールを挟んだとしても、週末ほどの爆発力はありません。結局、残りの平日5日間の落ち込みが、店全体の業績を大きく引っ張る計算になります。いくら週末の売上が良くても、平日の5日間で負けていては、安定した経営などできるはずがありません。

この「平日の客数減少」を根本から解決してくれるのが、まさに鮮魚部門です。

なぜなら鮮魚は、「日々の来店頻度を高めてくれる部門」だからです。 お肉のまとめ買いや冷凍食品と違い、生魚はその日その日で消費される特性があります。そのため、「明日もまた、新鮮な魚を買いに行こう」という毎日の来店動機になりやすいのです。つまり、鮮魚が強ければ平日の客数が増えます。

これは、私の30年の現場経験から見ても、間違いのない事実です。この点からも、地方のスーパーは鮮魚が強くないと、1週間を通して経営が安定していきません。

理由2:経営上の観点(全体の粗利率を高める)

2つ目は、店舗や企業全体の「利益構造」の観点です。

鮮魚部門が強くなり、店全体における売上構成比が高まると、店舗全体の粗利益率に非常に良い影響を与えます。

逆に、利益率の低いお酒や一般食品の構成比を上げると、店の売上(トップライン)は上がっても、会社に残る利益(ボトムライン)はなかなか上がりません。

安売りをする店であれば、お酒や食品の利益率は15%〜20%前後まで下がることがザラにあります。一方で、鮮魚部門が強くなれば、粗利益率28%以上を確保することも十分に可能です。利益率15%の部門の構成比を上げるよりも、利益率28%の鮮魚の構成比を上げた方が、会社に残る利益が大きくなるのは当然ですよね。

経営効率の観点からも、鮮魚の売上構成比を上げていくべきなのです。

理由3:地方の高齢化による需要増

3つ目は、地方の高齢化に伴う需要の変化です。

地方の高齢化が進むにつれ、魚や刺身の需要はさらに高まります。シニア層のお客さまは、油っこいお肉よりも、あっさりとした美味しい魚介類を求めるようになるからです。

しかも、地方のシニア層は日常的に魚を食べ慣れているため、「鮮度に対する目」が非常に肥えています。そのため、スーパーの鮮魚売場に期待するレベルも自然と高くなります。

期待が高いからこそ、魚の鮮度に期待できない店は、遅かれ早かれ地域から淘汰されていくでしょう。その意味でも、高齢化が進む地方のスーパーでは、鮮魚が強くなくては生き残れないのです。

どうしたら鮮魚を強くできるのか?

では、どうしたら鮮魚を強くできるのでしょうか? これが決して簡単なものではないことは、みなさまも分かりきっているはずです。全国のスーパー関係者が、まさにこの問題に一番頭を悩ませているのですから。

鮮魚を強くするために最も重要なこと、それは一言でいうと「鮮度の信頼」を得ることです。これに尽きます。これこそがすべてと言っても過言ではありません。

ここで、私の経験した事例を一つ紹介しましょう。

その店舗は、郊外型で400坪ほどの、単独店舗の生鮮スーパーマーケットでした。当時、水産鮮魚部門がまるでダメで、お客さまからの信用を完全に失っている状態でした。

あまりにも業績が悪いため、起死回生を狙って「価格」を前面に出した強力なチラシを打つことにしました。取引先にも協力を仰ぎ、地域最安値クラスの激安特価で広告を打ち出したのです。

しかし、結果はまったくの惨敗。その後も売上は低迷し、惨憺(さんたん)たる状況が続きました。

なぜ、このような結果になったかお分かりでしょうか。

「安ければ売れるだろう」という安易な思考が、完全に間違いだったのです。

鮮魚の場合、いくら安い価格を打ち出したところで、ベースとなる「鮮度への信頼」がなければ、お客さまは継続して利用してくれません。「安いけれど鮮度が落ちる魚」を求めているわけではないからです。

本来であれば、飛び道具であるチラシに頼る前に、一歩引いて「魚の鮮度そのものを劇的に良くすること」に注力すべきでした。これには、商品の鮮度だけでなく、働く人の鮮度や、売場空間の鮮度も含まれます。

この「鮮度を良くするプロセス」こそが、我々が徹底的に求めていかなければならないテーマなのです。

実際、言葉で言うのは簡単ですが、この「魚の鮮度を上げて、地域での評判を確立する」というプロセスこそが、実務において最も難しい部分です。 (※ちなみに私は、ここを何度も解決してきた実績と再現性を確立してきたからこそ、こうして鮮魚コンサルタントとして活動しています。)

魚はどのように評判になっていくのか?

ところで、魚の評判はどのようにして上がっていくのでしょうか。

鮮魚の評判が上がるルートは、決まって「口コミ」です。 近所の奥様方は、どこのお店の魚の鮮度が良いか、絶えず井戸端会議で情報交換をしています。そこでの会話は単なる情報共有だけでなく、「自分は良い店を知っている」「家族に美味しいものを食べさせている」という、自分自身のちょっとしたステータスや自慢の心理も働いています。

その地域のコミュニティの会話の中に、自店の名前が挙がるようにすること。これが、繁盛店になる一番の近道です。

とはいえ、具体的にどうすれば良いか悩む方も多いでしょう。これはお客さまの「信頼」という心に作用する問題ですので、一発逆転の秘策はありません。

日々の現場での丁寧な作業、徹底した鮮度管理の積み重ねしかありません。じわじわとファンが1人増え、2人増え……という増え方しかあり得ないため、どうしても時間がかかります。

「そんな気の長いことはやっていられない」と思われるかもしれません。しかし、これが鮮魚の運営が難しいと言われる本質であり、一度失った信頼を取り戻すには、それ相応の時間が必要なのです。

鮮魚強化で生まれる「6つのメリット」

では、時間と労力をかけて魚の評判が上がったとき、店舗にはどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。これだけの難事業に挑むに値する、強力な6つのメリットを解説します。

1. 商圏が広がる

魚の評判が良くなると、通常の足元商圏を越え、5〜10km圏内、さらには20km以上離れた遠方からも「あの店の魚が欲しいから」と来店が増えるようになります。鮮魚は、広範囲から集客できる強力な武器になります。

2. 平日の来店が増える

先述の通り、競合大手が苦戦しやすい「平日5日間」の来店頻度を劇的に高めることができます。1週間を通じて安定した客数を維持できるようになります。

3. 固定ファンが増え、来店頻度が上がる

お魚のファンは一度定着すると離れません。特に対面販売を行っている売場ではその傾向が強くなり、「魚を買うならこの店」と、競合に浮気しない熱狂的なロイヤルカスタマーを囲い込むことができます。

4. チラシの回数を減らせる(コスト削減)

日々入荷する生魚が評判になれば、極端な話、高額なチラシを打たなくてもお客さまがあてにして来店してくれるようになります。「新鮮な魚が入荷する曜日」が認知されれば、広告費を大きく削減でき、利益率の向上に直結します。

5. 1店舗あたりの売上規模が格段に大きくなる

通常、300〜450坪クラスの地方スーパーであれば、年間売上10億〜12億円で優秀と言われます。しかし、魚が圧倒的に強い店舗になると、売上は15億円ベースへと跳ね上がります。

実際に、私が以前バイヤーを務めていた302坪の店舗では、寿司を含めた鮮魚構成比15.8%(+塩干3.6%)を叩き出し、店全体の年商は最高で27億円にまで達しました。

6. 向こう10年は売上が継続して伸び続ける

強い鮮魚部門を作る最大のメリットは、一度信頼を勝ち取れば、向こう10年間は売上が伸び続ける(右肩上がりを維持できる)という息の長さです。

信頼構築に時間がかかる反面、その効果が非常に長く続くのが鮮魚の特徴です。この成長が止まる原因は、競合の台頭というよりも、人事異動や主戦力の退職といった「自らの失策」によるものがほとんどです。10年間にわたって右肩上がりの経営の柱ができるというのは、経営においてとてつもない強みになります。

最後に

このように、鮮魚が強いということは、生鮮スーパーマーケットにとって他業態に模倣されない「最大の競争優位性」をもたらします。

地方のスーパーマーケットにとって、鮮魚の強化は生き残るための大前提であり、言い換えれば「地域住民の期待に応えること」そのものです。特に海に近い地方や、高齢化が進む地域において、新鮮で美味しい魚へのニーズは今後さらに高まっていきます。

ぜひ、地域の人々の期待に応える「魚の強い店」を作り上げ、永続的に繁盛する店舗を築いていってください。

もし、鮮魚部門の立て直しや仕入れ、売場づくりにお悩みがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。あなたの店舗の力になれると確信しております。

<終わり>

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