「切り身やパックばかりを綺麗に並べて、鮮魚の売上が悪いと頭を痛めてませんか?」
こんにちは、おさかなコンサルタントのうおみしゅんです。
今のスーパーの鮮魚コーナーや量販店の売り場を見ると、どこもかしこもプラスチックトレイに入った切り身やサクばかりが美しく並んでいます。でも、これが大きな罠なんです。
パック売りに頼り切った売り場は、お客様から見れば「どこで買っても同じ」に見えます。その結果、10円でも安い方に流れてしまい、価格競争に巻き込まれたお店もスタッフも、ただただ疲弊していくことになります。
しかも、本当に恐ろしいのは価格競争だけではありません。パック売りの最大の罪は、魚が「いつ獲れたのか(鮮度)」をお客様から完全に見えなくしてしまっていることです。
プラスチックのトレイに綺麗に収まった切り身は、一見便利ですが、お客様の目にはどう映っているでしょうか?「これ、本当に今日入ってきた魚なの?」「いつ獲れて、いつ加工されたものか分からない……」という、目に見えない不信感を与えてしまっているんです。加工日のラベルが「今日」になっていたとしても、パックの中に入ってしまえば、魚本来の生命力や本当の鮮度は隠されてしまいます。大都会や山間部のお店ではそれもやむを得ないのかもしれません。
世間ではよく、「今は魚が売れない時代だ」「深刻な魚離れだ」なんて言われていますよね。確かに、データや都会の数字だけを見れば、一見その通りに思えるかもしれません。
でも、現場にいる私は違うと思っています。それは本当の真実ではありません。
特に地方や郊外に目を向けば、まだまだ魚を美味しく食べたいと思っている人はたくさんいます。自分で包丁を握って料理をする人も、私たちが思っている以上にたくさん残っているんです。つまり、お客様の魚離れが進んでいるのではなく、「いつ獲れたかも分からない不安なパックに愛想を尽かして、ワクワクして買いたくなるような、本当の魚の売り方が売り場から消えてしまっているだけ」なんです。
安売りの、いつ獲れたか分からない切り身を並べて、お客様がカゴに入れてくれるのをただ待つだけの商売は、もう終わりにしましょう。
地方で、中小の魚屋やスーパーが大型量販店に圧勝し、売上と利益率を同時に爆発させるための、唯一にして最強の切り札。
それこそが、「頭のついた魚(丸魚)を売りなさい」ということです。
なぜ今、あえて手間のかかる丸魚を売るべきなのか?それがどうやって「圧倒的な鮮度の証明」になり、あなたの店の売上を2倍、3倍に変えていくのか?今回はその明確な裏付けと、明日からできる実践ノウハウをロジカルに解説します。
理由① 技術と鮮度の「視覚的証明」になるから

それでは、頭のついた魚を売るべき最初の理由です。 理由の第1は、丸魚がお店の技術と鮮度の「視覚的証明」になるからです。
ここが今回、私が一番お伝えしたい最重要のポイントです。 お客様があなたの店の鮮魚売り場に立った瞬間、最初に目に飛び込んでくるものは、一体何であるべきだと思いますか?
それは、きれいに並んだ切り身のパックではありません。 「氷の上にドカンと鎮座する、目がキラキラと澄んで、肌がパキッと輝いている、あの頭のついた丸魚」であるべきなんです。
先ほども言った通り、プラスチックトレイに入ってラップをかけられた切り身からは、魚本来の「今獲れたばかり」という圧倒的な生命力や、キラキラした鮮度感は絶対に伝わりません。いくらポップに「本日入荷!」と書いたところで、お客様の心のどこかにある「これ、本当に新鮮なの?」という不安を消し去ることはできないんです。
しかし、頭のついた魚がそのまま売り場の一番前で光り輝いていたらどうでしょうか? 言葉で「新鮮です」と100回説明するよりも、その魚の目や肌の輝きが、何よりも雄弁に「今朝、獲れたてが入ってきた証拠」をお客様に証明してくれます。
さらに、この丸魚を売り場に堂々と並べることは、お店の「格」を劇的に引き上げる効果があります。
今の時代、どこのスーパーも仕入れた切り身をパックに詰めて並べるだけ。そんな売り場ばかりの中で、目利きの効いた、生きの良い素晴らしい魚が丸ごとドカンと並んでいる。それだけでお客様は、「あ、このお店は本物の魚を仕入れられる、すごいルートを持っているんだ」「ここには信頼できる本物の職人がいるんだ」と、一瞬で直感します。
その視覚的なインパクトこそが、そのまま店全体の絶大な信頼感と、他店には真似できない「専門店のオーラ」に直結するんです。
丸魚のキラキラした鮮度を最初に見せること。 これ自体が、大型量販店や競合店に対する、決定的な差別化の第一歩になります。
理由② 対面販売と「調理サービス」でファンを作れるから

続いて、2つ目の理由です。 理由の第2は、対面販売と「調理サービス」によって、あなたのお店の熱狂的なファンを作ることができるからです。
こう言うと、グロッサリあがりの幹部や経営者の方から必ずこんな声が返ってきます。 「いやいや、頭のついた魚を売り場に置いたって、今のお客さんは家で魚なんか捌けないから、もっと効率的に考えたらどう?」と。
断言します。それは大きな勘違いです。むしろ「家で魚を捌けない」からこそ、大チャンスなんです。
このピンチをチャンスに変える鍵が、対面販売と調理サービスです。 想像してみてください。売り場の一番前で、キラキラ光る丸魚に目が止まったお客様がいます。「美味しそうだけど、私、これ捌けないしな……」と悩んでいるその瞬間に、あなたが声をかけるんです。
「今日の一押しはこれです!めちゃくちゃ脂のってますよ。どうやって食べますか?煮付けですか?それともお刺身?」 「家でゴミが出るのが嫌なら、今ここで、私が三枚に綺麗に下ろしますよ!」
この一言が、お客様との温かい会話、つまり最高のコミュニケーションを生み出す最大のツールになります。
今の大型量販店は、効率化のために従業員をバックヤードに閉じ込め、売り場には誰もいない「ただパックを並べるだけの無機質な売り場」に成り下がっています。そんな中で、あなたが笑顔で「下ろしますよ」と声をかける。
お客様はどう感じるでしょうか?「あ、このお店、すごく親切!」「ここで買えば、家でゴミも出ないし、プロの味を楽しめるんだ!」と、ものすごく感動してくれます。
これこそが、「価値の転換」です。
お客様は、単に魚という「モノ」にお金を払っているのではありません。あなたのプロとしての「見立て」、そして「目の前で綺麗に捌いてくれる調理技術というおもてなし」に、喜んでお金を払ってくれているんです。
「あの店に行けば、美味しい魚の食べ方を教えてくれる。私の代わりに、お魚をプロの技で下ろしてくれる」
こう思っていただけたら、もう勝ちです。お客様は、ただの「買い物客」から、あなたのお店の「熱狂的なファン」に変わります。
10円や20円の安さを求めて他店に浮気するようなことは二度となくなります。価格競争という不毛な泥沼から、完全に脱却できる本当の理由がここにあります。
理由③ 客単価が2倍、3倍に跳ね上がり「売上」が爆上がりするから

さあ、そして3つ目の理由。ここからは、経営者やチーフが最もシビアに追いかけている「数字と効率」のお話をしましょう。 理由の第3は、頭のついた魚(丸魚)を売ることは、客単価を跳ね上げ、売上を爆発させる最強の武器になるからです。
みなさん、売上を作ろうとして、毎日必死にお刺身の盛り合わせを作ったり、お寿司を握ったりしていませんか? ハッキリ言います。手間とロスが多すぎるお刺身や、お寿司に頼るのを、今すぐやめてください。
確かに、刺身や寿司は単価が高く見えます。でも、その裏にある膨大な手間、職人の拘束時間、そして夕方以降に売れ残ったときの「廃棄ロス」の多さを考えてみてください。時間をかけて綺麗に盛り付けたのに、売れ残って夜に半額シールを貼り、最悪の場合はそのままゴミ箱行き……これではいくら形の上の売上を追っても、店は全く儲かりません。
それに対して、丸魚を対面で売り切る商売は、売上への貢献度が「レベル違い」に良いんです。その破壊力は桁外れです。
売り場に「立派な一魚丸ごとのアジ 980円」をドカンと据える。そして、先ほどお伝えした対面調理サービスを組み合わせて、お客様にこう提案する。
「これ、1尾980円ですけど、ものすごくお買い得ですよ!頭と骨は良い出汁が出るからお汁用に、身の半分は今夜のお刺身、残りの半分は明日のフライ用に下ろしますね!」
こう言われたお客様は、「2食分のメインのおかずが一瞬で揃っちゃった!」と大喜びします。そして、398円の切り身を買うはずだったお客様が、一瞬で2.5倍以上の「980円」という大きな売上を、喜んで支払ってくれるんです。
ここが重要なポイントです。 お刺身やお寿司のパックを作るためには、ツマを敷いて、大葉を飾って、綺麗に並べてパックして、値札を貼って……と、信じられないほどの手間と時間がかかります。
でも、丸魚の対面販売なら、「お客様に価値を伝えて、その場でザクザクと三枚に下ろして袋に入れて渡すだけ」です。
パック詰めの作業もなければ、トレーの資材代もかからない。売れ残って廃棄になるリスクも圧倒的に低い。つまり、最も手間をかけず、最もロスを出さずに、一瞬で大きな売上を確定させることができる。これが、丸魚販売の本当の恐ろしさであり、最強のメリットなんです。
安売りの切り身を10パック並べるよりも、手間の多すぎる刺身パックに追われるよりも、価値を伝えて丸魚を3尾売る方が、圧倒的に早く、確実で、太い売上が作れます。
人手不足で時間が足りない、ロスが多くて利益が残らないと嘆く前に、なぜこの「一番効率よく売上が上がる丸魚」を売らないんですか?というお話なんです。
理由④ 刺身や寿司が売れないのは、売り場に「丸魚の鮮度の信頼」がないから

そして、ここからがさらに重要な、売り場の本質的な話になります。 4つ目の理由です。 そもそも、なぜあなたのお店の「お刺身」や「お寿司」が売れ残ってロスになってしまうのか。その根本的な原因は、売り場に「丸魚の鮮度の信頼」がないからです。
「どういうこと?」と思われたかもしれません。詳しく説明します。
今のスーパーや量販店のように、売り場がパックの切り身や、最初から形になった刺身・寿司のパック「だけ」で埋め尽くされていると、お客様の心理としてはこうなるんです。 「このお刺身、見た目は綺麗だけど、本当に今日入ってきた魚なの?」 「まさか、何日も売れ残った古い魚をバックヤードで切り直して、パックに詰めたんじゃないの?」
お客様は、パッケージされた商品に対して、目に見えない強烈な「鮮度への不信感」を抱いています。この信頼のベースがゼロの状態で、いくら「手間暇かけて作った豪華な刺身盛り合わせ」や「お寿司」を並べたところで、お客様は怖くて財布を開けません。だから売れ残り、半額になり、最終的にゴミ箱へ行くという最悪のロスが生まれるんです。
この悪循環を、一瞬でぶち壊すのが「頭のついた丸魚」の存在です。
売り場の一番目立つ場所に、今朝市場から仕入れてきた、目がキラキラして肌がパキッと輝いている丸魚がドカンと並んでいる。これを見せるだけで、お客様の脳内は180度変わります。 「あ、このお店は、今朝獲れた本物の生きた魚を仕入れているんだ!」という、圧倒的な鮮度への信頼がその瞬間に出来上がるんです。
この「丸魚という鮮度の証明」がバックボーンとして売り場にドンと存在しているからこそ、お客様は初めて、その横に並んでいるお刺身やお寿司を見ても「あ、このお刺身は、あのピカピカの丸魚をさっき下ろして作ったんだな。間違いない、新鮮だ!」と、100%信頼して安心して買ってくれるようになります。
つまり、丸魚を売るということは、丸魚そのもので高い売上を作るだけでなく、お店のすべての生鮮商品に対する『信頼のインフラ』を作るということなんです。
この信頼の土台がないまま、いくら手間をかけて刺身や寿司を作っても、それは砂の上に城を建てるようなもの。だから売れないし、ロスになるんです。
まずは頭のついた魚を売りなさい。その圧倒的な鮮度の信頼感があって初めて、売り場全体のすべてが回り始めます。
理由⑤(市場買付で主導権を握り、粗利をコントロールできるから)

そして5つ目の理由、これが最後の決定打です。 理由の第5は、市場買付であなたが「主導権(値入れ)」を握り、お店の粗利益を劇的にコントロールできるようになるからです。
今のスーパーや量販店のチーフが仕入れをするとき、どうなっているでしょうか。本部から送られてくる定番の切り身原料や、あらかじめ値段の決まった養殖物の価格表を見ながら、「あぁ、今月も原価が高くて利益が出ないな…」と、ため息をついていませんか?仕入れ値の主導権を完全に他人に握られている状態です。
でも、市場買付の丸魚は全く違います。あなたが主導権を握れるんです。
市場には毎日、その日の天候や相場によって、「モノは抜群に良いのに、なぜか今日だけ破格で落ちているスポットの丸魚」が必ず存在します。それを見落とさず、自分の目利きでガツンと仕込んでくる。
あらかじめ原価が決まっている商品とは違い、市場買付の丸魚は「安くて最高のモノ」を自分の腕で引っ張ってこれる。だからこそ、競合店に邪魔されることなく、お店側が主導権を握った高い値入れ(粗利益率)をはじめから自由に設計できるんです。
さらに、丸魚の凄さはそれだけではありません。対面で下ろした後に残る「アラ(頭や骨)」の存在です。
多くの店は、パックの切り身を仕入れるから、最初からアラなんてありません。でも、丸魚を自店で下ろせば、新鮮なアラが手に入ります。これをただのゴミ(ロス)にしてはいけません。 「鮮度抜群のアラで作る、大盛りのアラ炊き用」 「惣菜コーナーで使う、極上の出汁(ダシ)の原料」
このように、工夫次第でアラまで100%価値に変えて売り切ることができる。ロスをゼロにするどころか、仕入れた魚のすべてを利益に変えることができるんです。
原価計算と粗利のコントロールにおいて、市場買付の丸魚を動かせる店がなぜ最強なのか。それは、「仕入れ」でも「売り方」でも、あなたが100%主導権を握れるからに他なりません。
まとめとアクション

さあ、いかがだったでしょうか? 「なぜ今、頭のついた魚を売りなさいと言うのか?」、その5つの絶対的な理由をお話ししてきました。
- 技術と鮮度の「視覚的証明」になるから
- 対面販売と「調理サービス」でファンを作れるから
- 客単価が2倍、3倍に跳ね上がり「売上」が爆発するから
- 丸魚の鮮度証明があるからこそ、他の商品が売れるようになるから
- 市場買付で主導権を握り、粗利をコントロールできるから
最後にお伝えしたいのは、現場で闘うみなさんへの、私からの熱いメッセージです。
切り身を2パック売るために、競合店のチラシを見て、必死に10円、20円の値下げをする不毛な戦いは、もう終わりにしましょう。そんな薄利多売のやり方は、資本力のある巨大な大手量販店に任せておけばいいんです。
私たちがやるべきなのは、価格の叩き合いではありません。魚本来の、そしてあなたの店が持つ本当の『価値』を、お客様に正しく伝えることです。
世間がどれだけ「魚離れだ」と騒ごうが、地方には、郊外には、まだまだ美味い魚を求めているお客様がたくさんいます。料理をして、家族に喜んでもらいたいと思っている人が溢れています。そのお客様の期待に応えられるのは、パックを右から左へ並べるだけの売り場ではなく、キラキラした丸魚を堂々と掲げる、あなたのような専門店、専門の売り場だけなんです。
頭のついた魚を売るということは、単に昔の古い商売に戻るということではありません。 今の時代だからこそお客様の目に新鮮に映る、「究極の体験型ビジネス」なんです。これこそが、中小の魚屋や地方のスーパーが生き残り、大手に圧勝するための唯一の王道です。
最後に

明日、市場に行ったら、あなたが「これだ!」と惚れ込んだキラキラの丸魚を、まずは数尾だけでいいから仕入れてみてください。 そして、それを売り場の中心にドカンと据えて、お客様に笑顔で話しかけてみてください。売る側のあなたがワクワクして仕掛けた丸魚は、必ずお客様に伝わります。売り場が変わる瞬間を、ぜひ体感してください。
「でも、具体的にどんな丸魚を選べばいいのか?」 「どうやって売り場を構成すれば、最も効率よく売上が最大化するのか?」
具体的な内容ついては現在メルマガで解説しています。
本気で店を変えたい、大手を圧倒する強い魚屋を作りたいという方は、ぜひ概要欄のリンクからチェックして、一歩を踏み出してください。
うおみしゅんのメルマガ>>https://uo-x.mykajabi.com/merumaga
売り場が変われば、お店の未来は必ず変わります。一緒に強い魚屋を作っていきましょう!
それでは、また次回の動画でお会いしましょう。ありがとうございました!
<終わり>